東北の大豆のはなし(ミヤギシロメ)

事務所の窓から見える鴨川の河辺が桃や白に色づいてきて嬉しい矢田です。
そろそろウグイスの声が聞きたいところ。

今回は「ミヤギシロメ」大豆です

先日の「岩手みどり」大豆に引き続き、今回は「ミヤギシロメ」大豆についてです。

当店では、現在、宮城県産を使っています。

11-1ミヤギシロメ外観

写真の通り、皮が薄黄色、形が大粒で丸っこいのが特徴です。

いかにも「大豆」という見た目で、とてもかわいらしいです。

このように見た目がきれいで、また甘みもしっかりした大豆なので、煮豆や豆菓子によく使われるようです。

また、普通の大豆だと黒い芽の部分が「ミヤギシロメ」大豆では白いので、味噌作りにも使われます。できあがりがきれいになるから、ということのようです。

名前の通り、宮城県発祥の品種です

大豆は、昔から栽培されている、日本古来の作物です。
奈良時代に書かれた『古事記』には既に「豆」という文字があるそうです。
日本で広く栽培が始まったのは、鎌倉時代とのこと。

その土地に根付き、ずーっと栽培され続けている品種を「在来種(ざいらいしゅ)」と言います。

「ミヤギシロメ」大豆は、宮城県名取郡岩沼町(現・岩沼市)の在来種の大豆を、宮城農業試験場で育成させてできた品種です。

「シロメ」ってなに?

大豆の芽の部分が、通常の大豆は黒いのですが、「ミヤギシロメ」大豆は白いのも特徴です。
「芽が白い=シロメ(白目)」というわけです。
ちなみに、芽が黒い大豆のことは「クロメ(黒目)」と呼びます。

…何のひねりもありません。

11-2芽の比較

糖分とタンパク質のバランスが、いいんです

「ミヤギシロメ」大豆の成分の特徴は、糖分とたんぱく質のバランスがいい、だから豆腐にしても甘みがしっかりある、ということではないかと思います。

また農林水産省さんのページで、成分表を探してみました。
ちょっと古いですが、平成11年産大豆の分析結果です。

品種(産地) タンパク質 粗脂肪 全糖 ショ糖
ミヤギシロメ(宮城) 44.5%(*) 18.9%(*) 21.7% 8.1%
音更大袖振(北海道) 40.3% 20.5% 23.3% 7.4%
エンレイ(新潟) 43.9% 20.4% 19.6% 5.7%
フクユタカ(福岡) 43.7% 21.6% 19.4% 6.4%

[参照元:http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/daizu/d_news/pdf/news45.pdf]

(*)ちょっとたんぱく質が多く出ている印象が…。先日取り上げた農林水産省さんの「国産大豆品種辞典」では、タンパク質40.3%、脂肪19.7%、糖分の記載は無しです。

音更大袖振(おとふけおおそでふり)は、ミヤギシロメと一緒に当店のおぼろ豆腐に使っている大豆、エンレイは当店のお揚げに使っている大豆、フクユタカは、当店では使っていませんが、豆腐作りで一般的に使われる大豆です。

この分析結果では、「ミヤギシロメ」大豆のタンパク質がやや多く出ているように思いますが、タンパク質がある割に、糖分もしっかりしていることが分かると思います。

だから、当店の「おぼろ豆腐」は大豆そのものの甘みがしっかり感じられます。

宮城県で昔から作られてきた「ミヤギシロメ」大豆は、東北・宮城の恵みをしっかり受けた、素晴らしい大豆ではないかと思います。

懲りずに梅のご報告です

暖冬の影響か、今年はもう桜が開いたところもあるみたいです。早いですねー。

それにも関わらず、梅を見てきた報告をしたいと思います(笑)
まずは、北野天満宮。たくさんの梅が咲いていて華やかでした。
青谷の梅と違い、こちらはちょっと背の高い梅が並んでいて、まさに愛でるための梅、といった印象です。

11-3天満宮の梅

ほか、松尾大社近くの梅宮大社でも梅を見てきました。
梅苑で、なんと梅に留まるメジロを発見!

11-4梅にメジロ

高いところにいたのでじっくり見ることはできませんでしたが、嬉しくて小躍りでした。
ちなみに、京都の梅はもう散ってしまっています。桜が待ち遠しいです。

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