豆腐と揚げの素朴な疑問 その1

賀茂とうふ 近喜の矢田です。
4月14日(木)夜から続く熊本県を中心とした地震で被災されている皆様に
謹んでお見舞い申し上げます。
また、一人でも多くの方がお元気でいらっしゃることを、心から祈っています。

豆腐・揚げのQ&Aです

今回は、豆腐やお揚げについてのちょっとした疑問にこたえてみたいと思います。
数字が入った表などは出てきませんので、気楽な感じでお読みください。

Q.1 豆「腐」って名前、おかしくない?

豆腐は”なまもの”、鮮度が大切と聞きます。そのはずが、名前を漢字で書くと「豆が腐る」…。それって、むしろ納豆のことじゃないの?(京都市・Yさん)

〇豆腐→「豆が腐る」→納豆のこと?
〇納豆→「豆を納める」⇔「豆から作った豆乳を型に納めて固める」→豆腐のこと?

関係が入れ違いになっているように見えます。

ところが、漢字は奥が深いです。「腐」は“ぷるんぷるんした固まり”を意味するそうです。

「豆腐のルーツは、中国の北方遊牧民族が保存食としていたヨーグルト(乳腐)だった」という説があります。

つまり、乳からタンパク質が分離して固まったヨーグルト(乳腐)と同じように、豆から作った豆乳のタンパク質が固まってできたものが、豆「腐」だ、と。

ちなみに、納豆の名前は、「お坊さんがお寺の納所(なっしょ:米穀や施物の出入を管理するところ)で作り、桶や壺に納めて保管した」ことに由来するそうです。

Q.2 豆腐って、使う前に水さらししたほうがいいの?

豆腐を使う前に水さらししなくていいと言われました。ほんとう?(京都市・Yさん)

賀茂とうふ 近喜では、豆腐は水さらし無しでOKですよ、とご案内しています。

水さらしの目的は、豆腐に残っているにがりやすまし粉の余分な成分を豆腐から流し出してしまうことかと思います。

確かに、豆腐を固めるにがりなどが適量より多く入っている豆腐は、食べた時に苦みやえぐみを感じます。にがりの味です。

では、当店ではどうかというと、こんな感じです。

・口当たりの良い柔らかめの豆腐ですので、にがりの量が多すぎることはありません
・仮に多かったとしても、豆腐を容器に入れる前に、豆腐を既に水につけています
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ですので、豆腐を使う前の水さらしは、当店の豆腐では必要ありません。
むしろ、必要以上に水さらしすると、豆腐の旨みも水に流れ出てしまいます。

ここまでお読みになられて、「水さらししていない豆腐もあるじゃない」と思われた方、豆腐通とお見受けします。

「おぼろ豆腐」「青碧(あお)豆腐」 といった、いわゆる“汲みだし豆腐”は、水さらししていません。

水さらししない分、豆腐のおいしい成分も抜け出さず、大豆の味をよりお楽しみいただける豆腐になっています。

この「おぼろ豆腐」や「青碧(あお)豆腐」も柔らかい豆腐ですので、にがりは少ないです。
ということで、やはり水さらしは必要ありません。

それどころか、「おぼろ豆腐」や「青碧(あお)豆腐」の容器に一緒に入っている水を、一度飲んでみることをお勧めします。おいしいです。

なぜかというと、豆腐の甘みが水の中へ抜け出しているからです。
豆腐通の方、ぜひ一度、お試しください。

Q.3 お揚げの湯通しや油抜き、したほうがいいの?

「いい油で揚げているから、油抜きしなくていいよ」と言われました。そうなんですか?(京都市・Yさん)

賀茂とうふ 近喜のお揚げ で、湯通しや油抜きの必要はありません。

お揚げの湯通しや油抜きは、揚げ油のくさみ抜きや余分な油を落とすことが目的です。
酸化して古くなった油で揚げてしまったのが原因です。
(古い油で揚げると、お揚げの色もきつね色ではなく、茶色が濃くなります)

当店のお揚げは、常に新しい油を継ぎ足して作っていますので、酸化した古い油で揚げることはありません。

ですので、湯通しや油抜きの必要はありません。
湯通しや油抜きをしてしまうと、お揚げがもっている美味しさも一緒に抜け出てしまいます。

でも、「私にはちょっと油そのものが気になる…」という方もいらっしゃいますよね。
その場合は、キッチンペーパーでお揚げの表面をぽんぽんとたたいて、油を吸い取ってみてください。

疑問や気になることがあれば、ぜひお知らせください!

ちょっとした疑問にちょこちょこっとおこたえしようと思ったら、長くなってしまいました。今回はこのあたりにしようと思います。

なお、質問者が「京都市・Yさん」ばかりですが、気にしないでください。

豆腐、揚げ、湯葉や大豆のことで疑問がありましたら、メールアドレス webmaster@kamo-tofu.com までぜひお知らせください!

今週の桜報告

京都市の南西、向日市・長岡京市とのほぼ境にある「善峯寺(よしみねでら)」へ桜を見に行ってきました。

山の斜面に並ぶ桜、そこから見える京都市街の景色、壮観でした。

18-2.善峯寺の桜

18-3.善峯寺から市街地

天然記念物「遊龍の松」も有名です。これ、一本の松で樹齢はなんと約600年。すごい。

18-4. 遊龍の松

桜以外にもあじさいや紅葉でも有名な場所です。とても静かな、ゆったりした時間のなかで、自然の風物を楽しみたい方にはお勧めです。

ですが、ちょっと山の中にありますので、阪急・東向日駅からバスで行かれるのが良いです。歩くと2時間かかるそうです(ちなみに、矢田は自転車で行きました)。

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